2010/04/22

銀色の小さな三日月

 ――― 2010年4月13日、朝。『銀色の小さな三日月』―――
浦和レッズはアジアチャンピオンズリーグか何か、はえある国際大会を闘っている。その試合の後、おそらくは浦和の市街にて。
路上にたくさん、いろいろなものが散乱している。たぶん、試合中の応援に使用したものだ。本当なら、拾い集めて誰かに返さなければならないらしい。
拾ってみると、手のひらサイズの銀色の三日月を縫った超小型のクッションがある。『手芸品』という感じ。ヒモが出ているので、ケータイのストラップにも使えそう。いや別に要らないようなものなんだけど、なんとなく心ひかれて、ガメてしまおうと思う。そう決めてしまうと自分は、他にもいろんなものを拾って抱え込む。
そこへ、レッズサポーターの女の子たちとすれ違う。彼女たちは、白い半透明の輪をたくさん拾い集めている。むりにでも形容すれば、氷砂糖のような色のドーナツ盤、という感じのものを。
だが、自分と違って彼女たちは、拾い集めたものをちゃんとした相手に返すつもりなのだろう。そう考えて、心がとがめる。

0 件のコメント:

コメントを投稿