2010/04/10

ベランダの植物に水を

 ――― 2010年4月9日、昼。『ベランダの植物に水を』―――
自分は女性の部屋に転がり込んでいる最中で、部屋の主はいない。尿意を覚えた自分は、なぜかトイレに向かわず窓を開け、ベランダに向かってしゃがんで用を足す。
そうすると、そのままではよくないと思って自分は、ベランダのコンクリの床にホースの水を流す。そこで思い出したのは、留守番中の自分にはベランダの植物らに水をやる責務があるということで、自分は引き続きそのタスクに向かう。
このあたりから、最初はひじょうに狭かったアパートのベランダが、だんだんとビルの屋上のように広くなっていく。水をまきながら見ていると、そこにはふつうの花壇みたいな植物がなくて、サボテンみたいなしぶいものが多し。さもなければ、土の中からやたらに大きな、ダイコンともカブともつかない巨大な根菜が見えていたり。庭園というにも、ずいぶん荒廃している感じ。
さらに自分が、ぐるっと廻ってベランダの『裏手』のようなところに向かうと、おかしなものがある。ちょっと高い台の上に、人体のかたちのものがいくつか置かれてあり、その人体(?)のあちこちから点々と草が伸びている。
ちょっと考えてそれらは、人体のかたちの袋に土が詰めてあって、そこから草が外に伸びているのかな…と推測する。こういうのも、一種のトピアリーというのであろうか。にしても悪趣味と思えるので、女が帰ってきたら話してみる必要があるか…と考える。
それから大したイベントもないままに、他の箇所での水まき作業が続くのだが、散漫な気持ちのままに自分は、『裏手』のオブジェの存在を意識しており、そっちには向かわないように気をつけている。

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