――― 2008年10月?日。『水塊が押し寄せる』―――
どーゆーワケだか、N子と同じフトンで寝ようとしていた。そこはどうやら自分の家のようで、オレの両親も同じ家の他の部屋で寝ているように思った。がしかし、間取りや部屋の様子などに、まったく親しみのない場所だった。
そして、そういうことにでもなるか…と思った時に、流しの方からカタカタカタ…と、洗った食器の揺れている音がした。地震かと思ったがそうでもなさそうなので、自分はフトンを出て、外のようすをうかがい見た。
そうすると、自分がフシギにも大俯瞰テキなアングルにて目にしたのは、はるか向こうの方から、大水がゆっくりと押し寄せつつある風景だった。その一大パノラマの近景側では、寝巻きのまんまの近所の人々が、ボーッと遠景側の水塊を眺めているのだった。『この一大事に、ナニを落ち着いているのだろう、この人々は?』…と、自分は考えた。
やや状況を細かく言うと、自分らの寝ようとしているフトンの枕側にはおそらく廊下や浴室や他の部屋があり、足の側には台所と玄関があった。その玄関から顔をつき出して眺めると、『枕の方角』から、大水は押し寄せていた。
ともあれ、こうしてはいられない、逃げねばならない、荷物を持ち出すよゆうもなく、からだひとつで…と、自分は考えた。そしてN子にも着替えを急ぐよう促したが、なぜだか彼女は慌てるでもなく、そして動くのがおっくうそうだった。
そんなことをしている間に、とうとう大水が押し寄せてきて、家の中にもゆっくりと水が浸入してきた。そうして家から出ることさえもできぬ間に、水の高さが立っている胸のあたりにまで達してしまい、『これはだめかも!?』と感じて恐怖と不安が高まった時に目が醒めた。
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