2010/04/10

高齢者の最終処理

 ――― 2008年10月?日。『高齢者の最終処理』―――
政府のお達しにより、これ以上たくさんの高齢者を養いきれないので、何かテキトーに数百人ずつを選抜して『処理』するということになった。オレの施設の入居者からは、Y岸さんが選抜された。
どのように処理するかというと1人ずつを段ボール箱に押し込んで、上からガソリンをブッかけて焼却するというのだった。その立会いのために、オレもその処理の現場へ行くコトになった。
現場へ行くと、その高齢者たちの押し込まれた段ボール箱が放射状に並べられている。その描いた円形の模様の中心部に、監視用のチョッとした建物がある。
『コレだと焼却の最中に、見ているオレらまでもがキケンなのでは?』…とは思うが、他の人々がみんなヘーキそうなので、とりあえず黙っている。ソコいらをウロウロしている人々の中には、見知った顔が何人か…T村支社長も来てるようだった。
ところが、いよいよ点火がなされたところで。おそらくは反対派の妨害工作により、高齢者らを処理するための炎は途中で消されてしまう。そうかといってギセイ者たちは救かったというわけでもなく、ある者らは燃えつきたまま、またある者らはナマ焼けのまま、あるいはガソリンまみれの箱に押し込められたまま、ただそこに放置されているばかりだ。
この妨害工作の犯人をつき止めるためか何かの目的で、われわれ関係者も、その場に足止めを喰ってしまう。何かすることがあるというわけでもなく、われわれはその建物の中をウロウロするばかり。

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