2010/04/26

弓の試合のお嬢さま

 ――― 2010年4月26日、夜。『弓の試合のお嬢さま』―――
弓部の対抗戦が行われるのを、自分は眺めている。まんがの本に描かれたそれを、見ているような感じもある。
その試合は『クロスカントリー+射撃』といった感じで、選手らは歩きながらあちこちに設置された標的らを射て進む、というものらしい。ただしその会場は室内で、体育館くらいの広さの場所でなされている。
ところがだ、試合のプレッシャーに耐えられなくなったらしくて、1人の選手のようすがおかしくなってしまう。それは気位の高そうなお嬢さまで、学校のセーラー服で試合に臨んでいる。
そして標的の真ん前に立って、『ようは、ここに矢が当たっていればいいんでしょう? かんたんじゃない』と言って彼女は、標的自体に対して、手で直に工作を始めるのだった。

その標的、同心円の描かれたパネルに対して、まず彼女は、ゴルフのマーカー(グリーン上で使うもの)のようなものをつき立てる。そのマーカーは、矢が命中した印として使われるものらしい。それから彼女はパネルの中に手を突っ込んで、その内側に詰まっているものを、手でぐいぐいとかき出してしまう。
この競技で使われる標的は、全体にはアーケードゲームの台みたいな感じで、そのパネルの部分に矢を当てるようになっているのだが。そうして彼女がパネルの表面をはがしてしまうと、その内側にはオレンジ色の、ねんどともババロアともつかないものが詰まっているのだった。射られた矢をソフトに受けとめるために、やわらかいものが詰まっているのだろうか。それを彼女が外側へかき出していくと、木製のパネルの内張りがそこに見えてくる。
そこらで審判たちが、反則というにも大胆すぎな、彼女の行為に気づく。そこでそろいのシャツを着た若い男女の係員らが、彼女に近づき何か話しかける。そして女性の係が『ね、わたしと、あちらへ行きましょう』と少女に告げて、彼女をどこかへと連れて行く。カウンセラーか精神科のナースか何かなのか、慣れた態度だな…と感じる。少女は『どうしてよ~』と口では反抗的なことを言うが、強くは逆らわない。

ここで場面が変わって、自分は家の洗たく物、母のくつ下などを、タンスに戻そうとしている。その大きなタンスをよく見ていると、なかなか整理されており、母のものと父のものがきれいに別れて収まっているのだが、しかし新たにものを入れるスペースがない。どうしょうもない。そこで自分は腹立ち半分で、開けた引き出しの上にそれを載せて、整理をすませた気になる。
それから視点が弓の試合に戻ると、さきのお嬢さまがあっさりと競技に戻っていて、そしてまた、別の標的に向かって、似たような不正をはたらいている。さっきは気の毒だと思ったが、こんどは見ていてちょっと呆れてしまう。そういえば、ここまで見てきた弓の試合は、洋弓なのか和弓なのか、と考えたが、それは分からない。

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