2010/06/10

白とピンクのまだら

 ――― 2010年06月08日。『白とピンクのまだら』 ―――
母が自分に、シャコを料理してくれ、と言う。しかしそのシャコと呼ばれたものを見てみると、まず体長が1mに及ぶほど、やたらに長い。
その甲殻の色は、白とピンクのまだらできれいだ。かつその胸から頭までの部分を見ると『こういうエビがいるよなあ』と思うのだが、しかし胴体がやたらに長くて、一対の脚がいっぱいついているところは、言わばムカデみたいなのだった。
しかも、まだ生きていて動いている。自分がその動きをまねして、彼の目の前で手のひらをワシャワシャと動かすと、彼は挑撥に怒って(?)、ハサミをふり、いっそうその動き方を激しくするのだった。

で、こんなものをどうやって料理すんのかって聞いたら、適当な長さにブツ切りにして、ホットプレートで焼けばいい、と言う。そうかと思ってまな板の上に運ぶ途中、何かのひょうしで、彼のしっぽの先っぽい部分が、いきなりもげてしまう。
それをおそるおそる、ほうちょうでブツ切りにして、言われた通りにホットプレートに載せる。そこまでしてから思ったのだが、ホットプレートがホコリっぽいままで、かつ油も敷かないで、料理を始めてしまったのはどうだったかと。

だが、ともかくも加熱が進行すると、それの身からジュワ~と、透明な肉汁のようなものがしみ出してくる。『これは、料理っぽくなってきたのかな?』と、それで一瞬は思った。
ところが続いてそれの身から、『シュワシュワ…』と、スチロールの綿のようなものが出てきたのだった。カラがついたまま焼いているので、断面のところからそれが出てきた。それを吐き出した後の身の部分は、シュン、としぼんでしまった。
その現象は、何らかの化学合成されたものが熱で分解、ということを自分に思わせた。これはほんとうに、人が食べられるものなのだろうか?



【註】 文中、なぞの節足動物が仮に≪シャコ≫と呼ばれているけれど、夢の中では『シャコ』ではなかったかもしれない。『何らかのなじみある名前だったような気がするが、はっきりは思い出せない』というのが、正直なところだ。

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