――― 2010年08月11日。『竜巻で家が倒壊』 ―――
オレと弟2人と、あと誰か弟の友だちが、そろってオレの部屋にいた。そして、外のようすがなにかおかしいと思って、窓から見たら。真っ暗な空と暗雲の下、いくつもの巨大な竜巻がそこら中に発生していた。
まるで、映画や劇画に描かれるこの世の終わりの光景だった。けれどよく観察すると、竜巻の根もとの民家が、今のところどうもなっていないようだった。そこで、『あるいは大丈夫なのか? 過ぎるのを待っていればいいのだろうか?』、とも考えた。
うかつに外に出るのも危険そうなのでオレたちは、ひとつのベッドの布団の中に伏せて、過ぎるのを待っていた。すると、『グイン!』という振動の感じがあり、家が約45度もねじれて、また戻ったような気がした。
それでオレがもういちど窓の外を見ると、今度はだめだった。窓の外の町が、ちょうどわれわれの家のところまで、がれきもろくに残さないままの荒野になっていた。オレは望みを捨てた。何の被害もなくてすむかも、という望みを。
それからしばらく後、再び布団から顔を出すと、オレたち4人は、その荒野の上で布団をかぶって伏せていたのだった。夜が明け、空は明るくなっていた。
家の1階にいたはずの両親は、死んでしまったのだろうか。家も、家の物も、自分らの持ち物も、いっさい失われてしまった。残ったものは、せいぜい家があったところの敷地だけ。それを遺産として、兄弟3人で分け合うのか。まあいいや、何とでもなるだろう…と、自分は考えていた。
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