2010/12/24

なぞめいた海上の遺構

 ――― 2010年12月24日。『なぞめいた海上の遺構』 ―――
おっさんの船頭が操る小舟に乗って、われわれ少年少女は、海の上に口を開いたふしぎな遺構に向かっていた。
やがてわれわれが見たのは、海面からわずかに顔を出しているだけの岩盤と、その頂点に開いた四角い穴であった。

見えている部分はごく小さいが、しかしその岩盤はひじょうに大きく平べったく広がっているもので、その一帯に巨大な暗しょうをなしているようだ。なるほどこれでは、小舟でなくては近づけない。
またその岩盤の頂点の穴は、ほぼ正確に真四角で、人が開けた穴にしか見えなかった。そしてその大きさは、一片が60cmあるかどうかという小ささだった。

ここで自分の頭の中に、地図のイメージが浮かんだ。地図は、近畿地方を表していた。
そこに絵解きされたルートによると、われわれは大阪湾から出発し、南下した。そして、ひじょうに狭くて通常船舶が通れない海峡を通過、さらには知られざるふしぎな海流に乗ったりして、いま和歌山県沖あいのこの場に達したのだった。

さて、事前に聞いた話だと、この遺構と呼べそうなものは、江戸時代くらいのむかしに金が採掘されていた場所らしいとか。できるなら、その内部を探検したいと思っていたけれど。
けれども目の前の心細い穴は、人間が入っていけるものという感じがしない。そもそも波をかぶるくらいの低い位置に存在する穴なのだから、その中は海水に満たされてしまっているのではなかろうか? どうしたものかと、われわれはその穴を眺めているばかりだった。

2010/12/12

ビリティス in シブヤ

 ――― 2010年12月12日。『ビリティス in シブヤ』 ―――
渋谷の街を歩いていると、劇場街で、「ビリティス」が演劇としてリメイクされた公演が、かなり人気を集めているようだった。ポスターを見ると、『あえて16時という開演時間を設定しました!』と、わかるようなわからないような宣伝文が目についた。

気がつくとそのあたりの路上は、公演につめかけた女性らで、かなりごったがえしていた。見ると同年代の女性のグループに加え、母と娘らしい組み合わせのお客が目立った。そして『ビリティス・ガールズ』と呼ばれる女性たちが、ふんいき作りと警備係をかねて、おそろいの白い服をまとって、劇場周りで活躍しているのだった。

と、それはいいが。しかし、会場付近の人々を整理しようとしているビリティス・ガールズの態度に、乱暴で強硬なところがずいぶんあるように思えたのだった。自分はたまたま街頭でそれを見かけただけだが、『これはいきすぎでは』…と考えていた。

(註。「ビリティス」とは、1970'sのデヴィッド・ハミルトンによる、レスビアン的なムードの映画作品だと思う。自分はちゃんと見たことはない。また、夢にみた街並みは、後で考えたら渋谷よりも有楽町に近いものだった。
また、ちょっと解釈的なことをメモ。この夢に登場したビリティス・ガールズは、自分の中でのラディカル・フェミニストに対するイメージかもしれない)



同じ日にみた、関連ありそうな別の夢。

自分は歩いて、渋谷の中心街に向かっているつもりだった。歩いていると、ひじょうに巨大な角川書店の本社ビルの真横を通り過ぎた。社屋の周りに、何か用があるのだろうか、アキバっぽい少年たちの小グループがたむろしていた。
…いや、何かがおかしい。路上の掲示などを見て地理を確認すると、自分はどこかで方角をまちがえて西へ行きすぎ、幡ヶ谷かどこかへ向かっていたらしかった。

それから引き返して自分は、同じ目的地に向かっている仲間の青年らと落ち合った。すると彼らにしても、目的地へのルートには明るくないようだった。
そしてひとりの仲間が、『こう行くのでは?』と示したルートは、さっき自分が迷い込んだところだった。『それだと、違うんだな』と指摘しながら、ちょっといい気分になっている自分を感じた。

(註・角川書店の社屋は、そんな位置にはないし。そして実物は見たことないけれど、いくら何でも夢の中のイメージはりっぱすぎ)



もうひとつ、同じ日の夢。

弟が内装関係か何かの会社を起こしたので、自分はそこに雇われる。そしてふたりで、得意先廻りに出かける。
畳の敷かれた団地の集会場のようなところで、得意先の社長に会う。和室なので正座して、弟が先に自己紹介し、自分が続く。ところがふたりとも名刺を持っていないことに気づき、『おかしいな』と感じる。
すると向こうの社長は自分をさして、『あなたがお兄さんなんですな』と言う。つまりおまえがヘッドなのか、というニュアンスを感じたので、『そうですが、社長は弟です』と自分は返事する。